ヒンドゥー世界の地鎮祭では、敷地の一角にヴァーストゥ・プルシャ・マンダラを刻んで供養するということをみてきました。

では、マンダラ図がどのようにして実際の建築設計に関わっていくのでしょうか。地鎮祭の後のプロセスをみていきましょう。

 

地鎮祭の次に行うのが、建築物の規模に合わせて敷地にヴァーストゥ・プルシャ・マンダラを描きます。このマンダラ図の外形線が、建築の外形線ともなります。

9✕9のグリッドを描き、その上にプルシャを描きます。プルシャとは土地の精霊のことです。

次に、杭や柱を落とす位置をプロットしていくのですが、ここからがポイントです。

ヒンドゥー世界では、このグリッド線を「シラー」といいます。これはアーユルベーダ医学の専門用語だそうで、「血管」を意味します。

そして、この線同士の交点を「マルマン」といい、「急所」を意味します。

このグリッドは、マンダラに描かれているプルシャの「血管」であり、その交点は「急所」なのです。特に、マンダラの対角線上(プルシャの背骨上)には大急所があります。

我々の身体でいう「チャクラ」の位置ですね。

このそれぞれの急所には、汚れたものや、杭・柱といった重量物をおいてはならないとされています。

なんと、この土地の精霊プルシャは建築主とシンクロしていいます。その急所を塞ぐと、建築主(家長)の身体の同部位に異変が起こると言われています。

そして、呼び出された神々とプルシャの身体の特性にあった機能の部屋がレイアウトされていきます。

そうしたことを踏まえて、日本で言う大工さんの棟梁「スタパティ」が建築設計をします。彼の支持に則って、その一番弟子「スートラグラービン」という設計士が棒と糸を繰りながら設計図を土地に起こします。

実は、こうしたマンダラに基づくレイアウトの仕方は、職人さんの中でもスタパティとスートラグラービンしか知ることができませんでした。スタパティがなくなったらスートラグラービンが後を継ぐという形で、口伝で伝えられ続けた秘事中の秘事でした。

 

以上をまとめると、ヴァーストゥ・プルシャ・マンダラによって人体と土地がシンクロし、それに基づいて築かれる建築はマンダラの写し絵となっているということです。

マンダラ図を介して、人体=土地=建築

 

 


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